2.病気の診断が下りるまで

2.病気の診断が下りるまで

昨年の2019年3月_1年前の手帳を開いてみる。
2日前の14日のところに「ハイリスク型が見つかりコルポスコピーを受ける」と書いてあった。

1月15日に再検査のために某総合病院を受診してから約2ヶ月。初診時の先生が若手の医師で”子宮頸がんの再検査ということなら一番上の先生に診てもらったほうが良い”とのことで、ベテラン医師を押さえてくれたのだが、最短予約は1ヶ月後の2月15日ということだった。

そして2月15日にエコーとウイルス検査を受けたところ、3月14日その結果が思わしくないことを告げられ、その場でコルポスコピー検査を受けたのであった。

コルポスコピー検査というのは子宮頸がんにおいて、がんのある・なしを調べる方法で、患部と思しき場所に試薬をかけ、怪しい場所の細胞を採取する方法である。

それにしても、この若手医師からベテラン医師へ引き継がれる1ヶ月の空白….これはなんだったのだろう?
今にして思えば….だけど。
この初診の頃はまだ「まさか」というのが強かったし、がんであるとは思っていなかった。他の病院を調べ直すのが良いという確信も持てず、仕方もないし、言われた通りひと月待つことにした。
しかし、コルポスコピーまで進んでくるとさすがに穏やかではいられない。急激に、しかもじわじわとした混沌が訪れてきた。

抗がん剤治療までには至らなかった私としては、3月14日に強毒性のウイルス(16型)の存在を知ってから入院までの日々が、今日までのもっとも辛い時期だったと言える。

黒に近いグレーな状況で、まだ決定的ではない。そうなると”家族以外には話す段階ではない”と考えていた。
心中にパンパンになった不安を抱えながら仕事や展示、交友関係においていつものように振る舞うのは心情的にとても難しいことあった。何事かあるのに何事もないようにするのは結講胸が痛