5.退院1周年

5.退院1周年

6/6は記念すべき退院記念日である。

入院から退院までの16日間は私にとって、大変意味深いものになった。
病気と、そこから発生した検査や入院・手術は辛いものではあるが、決して辛いだけではなかった。
入院環境は素晴らしかったし、そこで出会った担当の婦人科の先生を筆頭に放射線室、CT室、リンパケアルーム、看護師のみなさん____どこへ行ってもとても大事にしてもらうことができ、質の高い医療を受けることができたと実感している。

入院や手術はできさえすれば良い、というものではない。
どんな病院でどんな検査をし、どう読み解いて、どう処置してもらえるのかということがとても重要なのだ。
また、病院内の雰囲気や立地環境というのも気持ちに影響を及ぼす。
私は入院中に窓からの風景にどれだけ癒されたかわからない。

幸にして私は色んな意味で充足した入院生活を送ることができた。

「医は仁術なり」という言葉があるが、入院した日本屈指のがん専門病院は関わってくれる方々の好感度が非常に高い。
先日、ある先生に「私、この病院では良い方にしか会ったことがないんですよ」といったら「それは、この病院の環境(働きやすさ)が整っているからですよ」との返答を頂いた。きっと環境が良く働きやすければ、働き手の気持ちが安定し、結果的に質の良い医療の提供に繋がるということなのだろう。

とは言っても入院中、先生方が早朝にも夜間にも、様子を見に来てくださる姿に際し、一体どれだけ働いているのだろうか?….と気になった。
あるとき主治医の先生に、同じフロアにある「〇〇ってどういう所なんですか?」と聞いてみたら、両手人差し指を左右対象に動かして、宙に四角形を2回描き「ここ!ここだけなんです!!(このテリトリーしか分からない!)」と。
診察はいつも相当な人数を受け持って過酷に働いているように見受けられ、人知れずノビてはいまいか、休日をちゃんと取れているのか等、気になった。

当たり前だとは思うけど、お医者さんもピンからキリまでいるんだなぁ、とも思った。思いやりのある人・ない人。器用な人・不器用な人。細やかな人・いい加減な人。技術力ある人・ない人。

ともあれ私はがんをきっかけに、医療に携わる人たちに親近感を抱くようになった。心から尊敬しています。ありがとう♡