人気のオオオニバスへの試乗会。これは30kg以下のお子様限定のイベントで、多くは8〜9月初めに行われます。何を隠そう、私も子供の頃に「あの葉っぱに乗れたらなぁ〜…」と、自宅の本の中でオオオニバスに嬉しそうに乗っている子供の写真を見るにつけ、憧れを募らせていました。まさか日本国内の複数箇所で市場イベントが行われているなんて全く知りませんでしたので。
で、そんなオオオニバス。もちろん子供で知っている人はごく少数派。
イベントに積極性を示すのはほとんどがお父さん、お母さん。可愛い我が子が池に浮かぶ大きな葉っぱに乗っている写真を撮りたくてたまらないのです。
また、ごく少数の物知りなお子さんは、かなり熱を持って乗りたい気持ちを持っていることが多いので、先着やら事前抽選やらに漏れてしまった際の落胆ぶりは大変なことがあります。
近年は事前抽選のみになりましたが、先着受付だった頃、間に合わなかった女の子が”どうにか載せてもらえないか”とイベント中、何度も何度も(多分5、6回)現場を訪ねてきたのですが、来るたび号泣していました。計4時間半くらいのイベント時間各所でお母さんとやってきて、それはそれは乗りたい気持ちを抑えることなどできなかったのでしょう。
そんなお子さん、または元来規定外となっている30kg以上の老若男女のお気持ちを少しでも汲み取ることを目的に、事情イベントの脇にオオオニバスの模造品を置くことになりました。
「イミテーションを造ってくれませんか?」と言われ
「はい、やりましょう」と返答しましたが、私自身その時点では”外側は布かな?”くらいの発想しかありませんでしたので、依頼した側も何が出てくるか皆目見当はつかなかったでしょう。
1年ほど前に食虫植物の展示用にかなり大量の布を買ったことで、自分の中で「ディスプレイ(的なもの含め)」→「布」は便利。
という認識が育まれたようです。
土台はしっかりしつつも柔軟性もあるものがいい、ということでホームセンターに行こうかと思ったところ、他の部署の人から「間違えて購入した発泡材があるんだけど…」と声が掛かり、そちらを利用することになりました。
布は西日暮里で購入。
結果的には良いものが手に入りましたが、行った日が夏のセール直後だったそうで、他のディスプレイ用の布の追加購入にあたってはベストのセレクトとまではいきませんでした。
作り方としては葉の大半を占める円形部分をパーツ①、
立ち上がったヘリを2分割することでパーツ②、パーツ③としました。
①〜③を全て布で多い発泡材に手作業で縫い付け、その後①の周囲に②、③を縫い付けて合体させました。
大・中・小と3サイズ、ほとんど似た布を使っていますが、ものによっては力づくでないと針が通らないものがあり、その点ではかなり苦心しました。
細かい部分の工夫はヒミツにしますが、制作ポイントを触りだけ話すとしたら、
植物のシワ=葉脈等を布のヒダで表現していることです。土台の発泡材にピッタリ沿わせた形だとしたら、リアリティはかなり劣ったものになっただろうと思います。
おそらく壊れるまでは毎年イベントの際に池横に並べると思いますので、
見かけた際は記念撮影をどうぞ⭐︎
誰でも乗れますよ!