5/1発行のJAグループ家の光協会出版の定期購読誌「地上」6月号のP76『足元に広がる可能性_生き生きとした土の世界への誘い_』寄稿:藤井一至さん(森林研究・整備機構 森林総合研究所 主任研究員)の文章に絵をつけております。こちらの雑誌は若手農家の皆さんが主な購読者層です。そんな日々土とともに生きている方々に向けて森林研究・整備機構 森林総合研究所の土の研究者・藤井一至さんが寄稿された文章の背景となるイラストレーションを描きました。
タイトルは『足元に広がる可能性_生き生きとした土の世界への誘い__』というものです。
見開きの少ない文字数の中には土がどのようなものであるのかや、日本でよく見られる黒土が希少であり世界の土は実に多様であること等々分かりやすく、また、面白く説明してくれています。
そのような素晴らしい文章に応えるために、私としてはまずはヒゲ根の表現が重要であると考えました。しかし、植っている野菜ごと畑の断面を見せている資料はあっても実際に土中でヒゲ根が広がっているところというのは見ることはできません。畑の断面や掘り返してもまだ残っているヒゲ根から想像して絵の中のヒゲ根を生やしていきました。
編集の方からは”土から頭をのぞかせる根菜___”目を下にずらすと普段見えない根っこの部分があり、周囲を様々な土壌生物が這い進んでいるイメージ””土の中に住む生き物たちの少しグロテスク、かつユニークな姿で土の世界の奥深さを伝えたい”と伺いました。
ミミズやモグラや様々な昆虫類など調べていくうちに何だか楽しくてしょうがない気持ちになってきました。「土の下は静かに躍動している」ということが描きながら伝わってきた、、、そんな感じでしょうか。
執筆者も読者(農家の方々)も土のエキスパートです。
自分なりに研究して土は3層構造にするなどの良い畑、良い土壌の表現を試みました。制作にはOA和紙に極細のペンを使用しています。ヒゲ根は大変細いので上手く描けるか否か想像がつきませんでしたが、暗い土の中の世界を暗中模索した結果、案外、地下の生き生きとした世界の雰囲気は出すことができたように思います。
初めて描いた土の中の世界に思いをはせながら、とても楽しく意味深い仕事となりました。
※こちらの雑誌は本屋さんにはありませんが、図書館だとあるようです。
藤井さんのHP
https://sites.google.com/site/fkazumichi/
JAグループ家の光協会
http://www.ienohikari.net